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1日18万人という都内でも有数の乗降客数を誇る西武新宿線西武新宿駅のリニューアル工事です。こちらはプロポーザルにて私たちの提案が採用されて実現に結びつきましたが、そのプロポーザルの際に注目したのは、交通施設としての本来のあるべき姿を実現することでした。私たちの捉える本来あるべき姿とは、誰もがわかりやすく、そして大量の行き交う人がスムースに行き来できること。近年は、駅構内で商業展開が進み、駅の利便性が大いに高まりましたが、駅のプラットフォームやコンコースなどにもいわば商業的な装飾や、テーマ性に基づいた意匠が施されることが多いように感じます。それは一つの流れでもありますが、西武新宿駅のような国内有数の歓楽街にも隣接して、一歩外に出れば本当の賑わいが広がる環境の中であるからこそ、交通施設本来の姿を取り戻すことがターミナルステーションとしての西武新宿駅に最も求められていることだと考えました。
そのために、私たちが取り入れた概念は、ニュートラルとポイントという考え方です。駅で最も目立つべき場所、改札やツーリストインフォメーション、チケット売り場、さらには人々の通行の道しるべとなるガイドライン、これらをポイントとして考え、表現しました。それらが寛容の中に埋没することがないように、それ以外の部分をニュートラルとして白いキャンパスを作り上げました。
一方で、鉄道施設特有の施工条件となりますが、駅は日常の機能が施工期間中に損なわれることを良しとしません。さらにこの駅は上階にホテルが入っており、臭気や振動騒音などは許されないという厳しい条件です。そのために、匂いの少ない無機塗料を利用し、かつ床面などはハツリなどがないように既存の床タイルにゴム系のシートを貼っていくことで、施工期間を大幅に削減すると共に、工事騒音の軽減化を実現しました。
また、外部のサイン計画については、非常に雑多な環境の中、特に夜には白く発光するラインを作ることで、たくさんの人々が行き交う雑踏の中、駅の存在が明確になることを意識し、実現しました。


2016/07-2019/03
駅舎
改修面積:約2000㎡
東京都新宿区
施主:西武鉄道株式会社
施工:西武建設株式会社



Photo By Tatsuya Noaki                                                                   Concept